
こころの奥に、そっと手をあてる。
そんな時間を、毎日の習慣にできたら。
「日刊SENSES」は、
頑張りすぎてしまうあなたに向けた、
こころの深呼吸のような言葉を届ける
エッセイのようなものです。
生きるのがちょっと面倒な日も、
誰かの正解に迷ってしまう日も、
読むとちょっと呼吸が深くなる。
そんな連載にできたら嬉しいです。
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わたしに戻るための作業
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満員電車が苦手です。
かつては、クレヨンしんちゃんの中でヒロシが満員電車に乗っているのを見て、自分の世界にはないものとして他人事のように思っていましたが、
いざ上京してその世界が日常茶飯事になると、次第に電車のことを考えるだけで脂汗が出るようになっていました。
当時は池袋から五反田まで山の手線を乗っていたので本当に地獄でした。
そんな日常とおさらばしてしばらく経つけど、また通勤しなければならない現実を選択してしまいました。
やりたくないことリストに入っていたはずなのに一時的だからと自分を納得させてしまったのです。
ちょっとだけ、ちょっとだけのしんぼうだから、ここだけ我慢してほしいと。
「本当にちょっとなんですか?具体的にいつまで?」というツッコミもあります。
だけど、そのちょっとが自分にとってはダメージが大きくて、それに気がつかずにいると本来の自分から少しずつズレて苦しくなってしまうのです。
思考で自分を押さえつけると気付いたからには、そのズレを少しずつ修正しなくてはなりません。
何度も自分を見失って、学ばない自分に呆れてしまう時もあるけど、
ズレては戻して、ズレては戻しての作業の繰り返しが、生まれた状態のわたしへ戻っていく為の旅なんだと思います。